- 4 -河津 私が所属するデジタル戦略部の中には、もともと新規事業創出のチームがあったのですが、今年からAIに特化して新規事業創出を行うチームが新設されました。また、SMBCグループとしてAI活用に対する500億円の予算を確保し、有望な案件に積極的に予算を付けています。当行、あるいはSMBCグループ全体として、本気で力を入れているのは確かです。——AI活用に対し、大きな予算枠があるのですね。生成AIの活用はさまざまな企業で始まっていますが、SMBCならではの特長を挙げるとしたらどんなことでしょうか。河津 SMBCは技術開発の会社ではありませんが、地域的にも業種的にも幅広い範囲にお客さまがいて、びっくりするほどきめ細かなつながりを持っています。そのつながりと資金活用に関する当行の豊富な知見を活かして、さまざまな企業・団体と連携して何でも吸収し、新しい事業やプロジェクトにチャレンジしていけるのが特長だと考えています。 AIをはじめとしたテクノロジーの分野は日進月歩で、技術やその活用法がこれからどこに向かうのかわからないというのが正直なところですが、チャレンジする姿勢は忘れたくない。会社のベネフィットだけでなく、自分が楽しむことも大切にしてチャレンジを続け、結果的に会社に貢献できるのがベストだと思っています。 「オズの魔法使い 」の映像制作も単発のプロジェクトで終わらせず、その先にあるものを探求して、再び既成概念を打ち破るような挑戦を続けていきたいですね。(編集部)AIを活用した新規事業創出への期待PROFILE河津 真 氏てアイデア出しをしたり、考え方を整理したのですが、そこではSMBCの源流である三井家・住友家の400年の歴史をさかのぼり、それを踏まえた上で今われわれが新しい取り組みにチャレンジする場合、お客さまにどうやって伝えるべきかを繰り返し問いかけ ました。 「オズの魔法使い 」をモチーフにするというアイデアが映像クリエイターの江夏由洋さん(マリモレコーズ)から出てきたのは、こうした壁打ちを一緒に何度も行ったからこそだと思いますし、江夏さんをはじめとする外部クリエイターや協力会社に恵まれ、忌憚なく話し合えて目標を共有できるチームを構築できたことも、この共創プロジェクトが無事着地できた要因として大きかったと思います。——生成AIによる動画が公開され高評価を得るなかで、SMBC全体のテクノロジーに対する意識の変化を感じることはありますか。株式会社三井住友フィナンシャルグループ/株式会社三井住友銀行デジタル戦略部 上席部長代理2023年に株式会社三井住友銀行入行。それ以前は自動車製造業にて主にイベントプロモーション、メディアに関する業務の全般、モータースポーツブランドのブランディングなどを担っていた。現在はオウンドメディア「DX-link(ディークロスリンク)」の運営など、SMBCグループのデジタルに関わる取り組みの発信に従事。前篇は、Idea4U vol.74にてお読みいただけます。
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